ヒートベッドの取り付け

【アクセサリーとして発売している「ヒートベッドセット」を購入された方のためのマニュアルです。】

ヒートベッドを使用することにより、プリント中の造形物とベッドの温度差を小さくできます。これにより、造形物の反りやプリント中ベッドから剥がれてしまう失敗を抑えることができます。

また、ABS素材など熱膨張率の大きな素材のプリントが可能となります。

ヒートベッドを使用するためには、「ヒートベッドセット」の他、「電源」が別途必要になります。Arduino、モーター、ホットエンドなどは、ACアダプターにより12V5Aを供給することで動作していますが、それとは別にヒートベッド用として12V11Aが必要となります。

ここでは、デスクトップPCで使用されるATX用電源を加工して、12V5Aと12V11Aの両方を供給する方法を示します。

以下のものを準備します。

  • ヒートベッドセット
  • ATX電源
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最初にATX電源を加工します。

「ATX12V 4ピンコネクタ」を見つけます。これはCPUに電力を供給するために使用されるもので、黄色2本と黒2本のケーブルで構成されています。大電力が必要とされるPC用では8ピンの場合があります。その場合も黄色2本、黒2本の4本のみ使用します。

注意:「ATX12V 4ピンコネクタ」が、12V5Aと12V11A(合計16A)供給できる事を事前に確認してください。もし16Aに満たない場合は、別のケーブル(例えば「PCI Express電源コネクタ」を併用するか、付属のACアダプターを併用する必要があります。

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ニッパーでコネクタを切断します。

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ストリッパーなどで被覆を剥がします。

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次に「PCメイン電源コネクタ」を見つけます。20ピンまたは24ピンのコネクタです。下図で持ち上げている黒と緑のケーブルを使用します。これは通常電源スイッチに使われるケーブルで緑ケーブルを短絡させることで、スイッチがONの状態になります。

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次にクリップを1個準備します。ニッパーで切断し、U字型の部分を作ります。

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下図のように、黒と緑のケーブルをブリッジさせるように、コネクタにクリップを差し込みます。

これにより、ATX電源から電力を供給できるようになります。クリップでの接続は一時的なものなので、継続的に使用する場合は、これらのケーブルを切断してハンダ付けなどをするか、スイッチに接続するなどの対応をお勧めします

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黄色2本、黒2本以外のケーブルは結束バンドなどで止めます。

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次に、ヒートベッドセットからヒートベッドとコルク円盤を取り出します(ヒートベッド裏面中央にはサーミスタがハンダ付けされています)。

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コルク円盤の両面テープの剥離紙を剥がします。コルク円盤をヒートベッドの裏面に貼り付けます。

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次に、Kossel Mini EB本体を準備します。既存のガラスタブ3個とベッド(ガラス)を外します。

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LCDマウントのボルトを1箇所外します。外した側のアルミフレームの端からM3ナットを入れます。LCDマウントのナットを中央に寄せ、新しく入れたナットを用いて、LCDマウントのボルトを再び締めます。

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他のアルミフレームについても端からナットを入れて、それぞれ2個のナットがアルミフレームの中央付近にくるようにします。

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ヒートベッドをボトムボディーの中央に置きます。リトラクタが邪魔になるので、ボルトを緩めて奥の方へ移動させます。

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ヒートベッドを奥のアルミフレーム(Z軸)に立て掛けます。サーミスタ用ケーブル(白)が上部へくるようにします。

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サーミスタ用ケーブル(白)を下図のように、T1へ差し込みます。極性はありません。

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ヒーターケーブル(赤)を下図のように、D8へ差し込み締めます。極性はありません。

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電源ジャックを取り外し、下図のようにATX電源からの黄色と黒のケーブルを緑色のコネクタに差し込み締めます。

※緑色のコネクタの上部2つがヒートベッドで使用する12V11Aの端子で、下部2つがそれ以外で使用する12V5Aの端子です。極性は、それぞれ上側がプラス、下側がマイナスとなります。

※ACアダプターと併用する場合は、黄色、黒それぞれ2本の芯線を撚り、電源ジャックを残したまま、空いているコネクタに差し込みます。

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下図のようにヒートベッドホルダーとガラスホルダーを組み合わせて、M3-20ボルトを通します。同様に計3つ作ります。

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左右のアルミフレームにホルダーを取り付けます。一度軽く締めて、緩めます。

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ケーブルに気を付けながら、下図のようにヒートベッドをホルダーに差し込みます。ヒートベッドの辺の中央にホルダーがくるようにします。

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手前のアルミフレームにホルダーを取り付けます。

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ヒートベッドの上にベッド(ガラス)を置きます。ガラスホルダーを中央に寄せてボルトを締め、ベッドを固定します。

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ATX電源をコンセントに接続し、スイッチをオンにします。LCDが表示されることを確認します。

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LCD画面の右上がヒートベッドの表示になります。「現在の温度/設定温度」の形式で表示されます。現在の温度が正しく表示されているか確認します。

※LCD画面左上のホットエンドの温度と若干差があることがあります。2〜3℃の差であれば問題ありません。

注意:表示されている温度が著しく違う場合は、ケーブルが正しくT1に接続されているか、再度確認します。それでも違う場合はお問い合わせください(出荷時に確認はしていますが、輸送中にサーミスタが破損した可能性があります)。

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次に動作確認を行います。LCD右側にあるツマミを押して以下の操作を行います。

Control => Temperature => Bed: => 0を60に変更

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最初の画面に戻ると、ヒートベッドの設定温度が60℃になり、しばらく待つと現在の温度も60℃になることを確認します。 これで、ヒートベッドが正しく動作することが確認できました。ヒートベッドの温度をゼロに戻します。

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